外科

当科について

当院外科は済生会横浜市東部病院外科・救急科と一つの医師団を形成して診療にあたっております。すなわち、消化器外科(長島・江川・西山・山田)、乳腺外科(土居・西谷)、末梢血管外科(下河原)が当院と東部病院の2つの病院を一体的に運営し、診療に当たっております。
2007年3月の横浜市東部病院の開院当初、急性期疾患は全て東部病院で診療を行っておりましたが、その後2016年より当院で担う疾患も徐々に増やし、麻酔科医の常勤体制、新棟(西館)オープンによる新たな手術室整備に伴い当院で診療する疾患、手術も拡大してきました。
入院患者さんは総合診療部・外科の医師が主治医として担当し、診療しております。

手術内容について

総合診療部外科と一体的に診療しています。予定手術としては胃癌(腹腔鏡手術含む)、大腸癌(腹腔鏡手術含む)、ヘルニアセンターとして腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を中心とした各種ヘルニア手術、腹腔鏡下胆嚢摘出術などが中心です。緊急手術としては急性虫垂炎手術(腹腔鏡手術含む)や胆嚢摘出術(腹腔鏡手術含む)、腸閉塞手術、消化管穿孔手術等に対応しております。
また、下肢静脈瘤センターでは静脈瘤手術およびレーザー治療を施行しております。

当科で診る疾患

  • 各種がん(消化管、肝臓・胆嚢・膵臓、乳腺など)
  • 胆石症・腸閉塞・肛門疾患などの消化器良性疾患
  • 乳腺良性疾患
  • 鼡径ヘルニア
  • 末梢血管疾患(下肢静脈瘤など)

診療内容と特色

消化器外科

手術内容は腹腔鏡による胃癌・大腸癌手術、鼡径ヘルニア手術、胆嚢摘出術、急性虫垂炎などが中心です。消化管穿孔、腸閉塞、急性虫垂炎など急を要する疾病に対する手術にも対応します。抗がん剤治療は食道・胃・大腸・肝胆膵癌などの消化器癌に限定して行っています。
東部病院外科と緊密に連携しており、東部病院外科手術後のリハビリなどご自宅に帰られるまでの回復過程を当院へ転入院の上対応しています。また当院には緩和ケア病棟があるので、がん患者さんの緩和ケアを緩和ケア科と連携して行っております。また外来では通院抗がん剤治療を行っております。
鼡径ヘルニア根治術に関しましては、従来から行われている直達法に加えて、全身麻酔下に腹腔鏡を用いてのヘルニア根治術を中心に行っており、術後の痛みやシビレなどの合併症が少なくて済むと評判を得ております。当院ヘルニアセンターまでお問い合わせください。

乳腺外科

乳腺外科も当院と東部病院と一体的運営を行っていますが、当院では外来診療を主に行っており、手術ならびに放射線治療は東部病院で行っています。手術前後や再発時の抗がん剤治療は主に当院が担っており、化学療法センターにて外来通院で抗がん剤治療が行われます。2021年度の当院の診療実績では、乳癌患者さんに対する抗がん剤治療は35名の患者さんに対して、延べ338回の治療が行われました。乳癌の治療においては、乳腺外科医に加え、乳がん看護認定看護師、がん化学療法認定看護師、がん専門薬剤師、放射線や超音波の技師、リハビリテーション技師、社会福祉士など多くの職種の職員が患者さんに寄り添いながら診療に当たっております。
近年、乳癌患者さんが増加しております。早期に発見出来た乳がんは完治する可能性が高く、早期発見が大切と言われており、そのためには乳がん検診の受診が望まれます。当院は、横浜市の乳がん検診(マンモグラフィー)指定施設でもあり、また当院独自の乳がん検診コース(超音波を含む)も設定しておりますので、お気軽に当院予防医療センターまでお問い合わせの上ご利用頂きますよう、ご案内させて頂きます。

血管外科

当院では下肢静脈瘤センターを立ち上げ、主に下肢静脈瘤に対する手術療法を行っております。下肢静脈瘤は、足のだるさ、むくみ、痛み、よくつるなどの症状から足の凸凹など見ただけでも判る方まで症状が様々です。皮膚が茶色くなってきたり湿疹が治らない場合もその原因が静脈瘤である場合もあります。
本邦では2011年に保険収載されて以来、レーザー治療は医療保険が効く標準的な治療として広く行われるようになってきました。我々の経験でも、手術治療が必要な症例の約90%の患者さんに低侵襲なレーザー治療が可能となっています。当院におきましては、入院の上でレーザー治療を行い、少し時間をおいて翌朝に合併症が生じていないか超音波検査で確認を行った上でご退院頂くようにしております(1泊2日の入院となります)。左右両側を一度に手術することも可能です。2021年度の当院実績では、下肢静脈瘤に対するレーザー治療は7例を行わせて頂いております。
下肢の見た目が気になる方も含めて上記のような症状をお持ちの方は、是非一度、当院下肢静脈瘤センターまでご相談ください。

呼吸器外科

肺がん、転移性肺腫瘍、肺良性腫瘍、気胸、縦隔腫瘍、膿胸、胸膜炎など疾患を済生会横浜市東部病院と協同で行っており、特に当院で術後の経過観察を中心に行っています。現在、再診患者のみの受付となります。

スタッフ紹介

【手術件数】 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
術式 全件 (うち腹腔鏡) 全件 (うち腹腔鏡) 全件 (うち腹腔鏡) 全件 (うち腹腔鏡)
ヘルニア 125 102 108 95 114 106 113 104
虫垂炎 35 33 31 29 44 42 27 27
胆嚢摘出 43 42 35 34 43 41 40 40
胃癌 19 11 21 13 12 5 13 10
大腸癌
(小腸・直腸含む)
57 38 48 39 66 53 65 33
その他 49 16 197 20 285 20 84 16
合計 328 242 440 230 564 267 342 230
医師名 専門としている領域 学会専門医・認定医
長島 敦院長 消化器外科 日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会指導医・専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
消化器がん外科治療認定医
土居 正和副院長
診療部長
外科部長
予防医療センター長
感染管理対策室室長
薬剤科部長
乳腺外科、禁煙外来 日本外科学会専門医
日本乳癌学会認定医
マンモグラフィー検診精度管理中央委員会 検診マンモグラフィー読影認定医
日本消化器外科学会認定医
日本救急医学会専門医
日本人間ドック学会認定医専門医指導医
Infection Contorol Doctor
慶應義塾大学医学部準教授(非常勤)
江川 智久非常勤
済生会横浜市東部病院
副院長、外科部長
消化器外科 日本外科学会 認定医・専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本内視鏡外科学会 技術認定医(胃)
ロボット支援下手術(胃)推奨プロクター
ダヴィンチサージカルシステム術者資格認定
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本食道学会 食道科認定医
日本臨床腫瘍学会 暫定指導医
日本癌治療認定機構 がん治療認定医・暫定教育医
日本消化器がん外科治療認定医
日本腹部救急医学会 認定医・暫定教育医
日本消化管学会 認定医
日本胃癌学会 代議員
日本内視鏡外科学会 評議員
日本臨床外科学会 評議員
日本腹部救急医学会 評議員
医学博士
慶應義塾大学外科学教室客員准教授
東邦大学医学部客員講師
厚生労働省開催指針準拠 緩和ケア研修会修了
青木 輝浩非常勤
済生会横浜市東部病院 呼吸器外科センター長
呼吸器外科 呼吸器外科専門医
日本外科学会専門医・指導医
日本胸部外科学会認定医・指導医
日本呼吸器外科学会指導医・評議員
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会評議員
日本がん治療認定医機構暫定教育医
下河原 達也非常勤
済生会横浜市東部病院 血管外科医長
血管外科 日本外科学会専門医
日本脈管学会専門医
日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部大動脈癌ステントグラフト実施医
厚生労働省開催指針準拠 緩和ケア研修会終了