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熱中症対策:知っておきたい初期サインと予防のヒント

近年、日本の夏は命に関わるほどの猛暑となっています。疫学データを見ると、全国の熱中症による救急搬送者数は毎年数万人規模に上り、その約5割以上を65歳以上の高齢者が占めています。さらに死亡原因としても看過できず、命を落とす危険のある重大な疾患です。しかし、熱中症は正しい知識と早めの対策で確実に予防・対処ができます。医療現場の視点から熱中症対策についてお伝えいたします。

危険な初期サイン

  • 軽症:めまい、立ちくらみ、足のつり、大量の発汗
  • 中等症:頭痛、吐き気、だるさ(倦怠感)
  • 重症の可能性:特に「急に汗が止まった」「意識がぼんやりしている」場合は重症です。ためらわずに、すぐに救急車を呼んでください。

正しい予防と対処法

1. 熱中症の半数は「室内」で起きています

データ上、熱中症が発生した場所の約4割から5割は「自宅などの室内」です。特に高齢者の方は、加齢により暑さや喉の渇きを感じるセンサーが鈍くなるため、エアコン(クーラー)を控えてしまいがちです。室温は28度以下を目安に、エアコンや扇風機を躊躇なく使いましょう。

2. 経口補水液(OS-1など)」を正しく使う

OS-1などの経口補水液は、いわば「飲む点滴」です。スポーツドリンクより電解質(塩分)が多く、脱水状態の体に最も吸収されやすいバランスで作られています。

  • 使うタイミング:頭痛、めまい、吐き気など「脱水症状が出始めた時」に効果を発揮します。

健康な時の普段飲みにはスポーツドリンクや麦茶で十分です。また、高血圧や腎臓病の持病がある方は、事前に主治医に相談しておくと安心です。

3. 熱中症の熱に「解熱剤」は使わない

熱中症の場合、高体温になることがありますが、「熱が出たから手持ちの解熱剤を飲もう。」これは絶対に行わないでください。 風邪の発熱は脳の指令で起こるため薬が効きますが、熱中症の熱は「体温調節機能が壊れて、体内に熱がこもった状態」です。原因が違うため解熱剤は効果がないどころか、脱水状態で服用すると腎臓に大きな負担をかけ、病状を悪化させるリスクがあります。薬ではなく、首や脇の下を物理的に冷やすのが鉄則です。

最後に

少しでも異変を感じたら、涼しい場所へ避難し、OS-1等で水分・塩分を補給して体を冷やしてください。症状を感じたら我慢せず、お気軽に当院を受診・ご相談ください。